東京都が配布する防災ブックの PDF を一括ダウンロードする

2020/09/02 追記:

東京防災の公式サイト がリニューアルされ、一括ダウンロード版の PDF も提供されるようになりました。 公式サイトからのダウンロードをおすすめします。

以下の内容は古い情報となりますが、当時の方法として残しておきます。

東京都が配布する「防災ブック」とは

東京都は発災時の対処法や日頃の備えについてわかりやすくまとめた防災ブック「東京防災」を配布しています。都民でなくとも役立つ防災情報も多くまとめられています。

本は以下の内容で構成されています。

(1) 大震災シミュレーション(地震発生の瞬間から避難、復興までをシミュレート)
(2) 今やろう 防災アクション(今すぐできる災害の備え)
(3) そのほかの災害と対策(地震以外の東京に潜む様々な災害と対策の解説)
(4) もしもマニュアル(災害発生時に役立つ知恵や工夫をイラスト付きで解説)
(5) 知っておきたい災害知識(災害に関する知識のまとめ)
(6) 漫画 TOKYO“X”DAY(かわぐちかいじ氏オリジナル漫画)

ダウンロードしておこうと思った発端のツイート

2018年8月〜9月にかけて近畿地方を中心に25年ぶりの「非常に強い」勢力の台風の上陸と、北海道全域が停電する事態になった最大震度7の地震の発生と非常に大きな災害が続きました。

そんな中でこんなツイートがありました。停電中に「東京防災」を一家に一冊おいておけばいいワンということを前に誰かが言っていたのを思い出したという内容です。これをみてダウンロードしとこうと思いました。

防災ブックの配布ページ

「防災ブック」は以下のサイトからダウンロードできます。

防災ブックの一括ダウンロード

もしインターネットが使えなくなっても見られるように全てダウンロードしておくといいと思います。ただし PDF ファイルが26個に分割された形で配布されており ダウンロードするのが面倒です。

どこかに ZIP とかでまとめてくれている人いるかもしれませんが、自分は以下のシェルコマンドで一括ダウンロードしました。良ければお試しください。

# ダウンロード用のディレクトリ作成して移動
mkdir 東京防災 && cd $_

# 配布ページのソースから PDF URL を抽出しダウンロード
curl -sL "http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2015/08/20p8l300.htm" |
  perl -nlE 's/.*?(?:(?i)href)="([^"]+)".*?(?:$|(?=(?i)href))/$1\n/xg and say' |
  perl -nlE "say if /^(http|https):.*pdf$/" |
  xargs -n1 wget

(なるべく環境に依存せず使えるよう grep ではなく perl で抽出した。最近ちょっとしたワンライナーとかもなるべく perl で書くようにしている。)

Kindle ストアでも無料配布されてます。

PHP で empty() を使うことを避けてみる

PHP には empty() という便利な関数がありますが、empty() はよく理解して使用しないと意図しないバグを生む原因になります。
( empty() は厳密には関数ではなく言語構造ですが便宜上関数と呼びます。 )

よく言われる話ですが、改めてまとめてみたいと思います。

なぜ empty() は安全なコーディングを妨げるか

通常 PHP は未定義の変数を使用しようとすると「そんな変数ないよ」と警告を表示してくれますが、empty() や isset() には未定義の変数に対して使用しても警告がされないという特別な性質があり、変数名のタイプミスに気がつけなくなってしまいます。

例えば以下のようなケースです。

$fruits = array('apple', 'orange');
if (empty($fruts)) {
    echo 'これは空配列です';
}

これを実行すると $fruits が空配列 ではない にも関わらず「これは空配列です」と出力されてしまいます。empty() に渡す変数名の途中の i が抜けておりタイプミスしているからです。

また、公式マニュアルの PHP 型の比較表 のページを見ると分かりますが、空文字や 0 の場合など、empty() は多くのパターンで true を返してしまします。判定の基準が緩い関数のため、よく理解した上で使用しないと意図しないバグを生んでしまうリスクがあるということです。

ではどうするか

empty() を使用したくなったとき、なぜ使用したいのかを改めて考えてみるといいと思います。

その気になれば empty() を全く使わずにコーディングすることも可能です。
まずは empty() を使用しなくても済むかどうかを検討してみることは良いことです。

変数が null かどうかを調べたい場合

if ($var === null)if (is_null($var)) などの方法であれば純粋に変数が null かどうかだけを調べられるので安全です。

変数が空配列かどうかを調べたい場合

if (is_array($var) && !$var) などで調べられます。

PHP 5.4.0 以降の場合はシンプルに if ($var === []) で調べられるのでおすすめです。[]array() の短縮記法です。

変数が未定義かどうかを調べたい場合

事前に変数を定義するよう心がけてコーディングすれば、大抵の場面で未定義かどうかを調べなくても済むはずです。

どうしても未定義かどうかを調べたい場合は empty() より isset() を使用するほうが安全だと思います。ただし isset() を使用した場合であっても変数名のタイプミスに気がつけなくなる危険性があることは認識しておいた方がいいです。

それでも empty() を使いたい場合

色々 empty() を使わずに済ます方法を書いてきましたが、それでもなんとなく NG な値かどうかを調べたい場合 empty() は便利ですよね。

ですがちょっと待ってください。そんなときでも Boolean への強制変換を使えば empty() と全く同じチェックをすることが可能です。
PHP 型の比較表 を見ると empty() と Boolean への強制変換 if ($var) の結果は完全に対になっていることが分かります。

つまり if (empty($var) === !$var) は常に成立するということです。
念のため調べてみます。

<?php
$vars = [
    'TRUE' => TRUE,
    'FALSE' => FALSE,
    '1' => 1,
    '0' => 0,
    '-1' => -1,
    '"1"' => "1",
    '"0"' => "0",
    '"-1"' => "-1",
    'NULL' => NULL,
    'array()' => array(),
    '"php"' => "php",
    '""' => "",
];
foreach ($vars as $label => $var) {
    $result = (empty($var) === !$var) ? 'TRUE' : 'FALSE';
    echo sprintf("%s: %s\n", $label, $result);
}

これを実行した結果 は以下になったので間違いなさそうです。

TRUE: TRUE
FALSE: TRUE
1: TRUE
0: TRUE
-1: TRUE
"1": TRUE
"0": TRUE
"-1": TRUE
NULL: TRUE
array(): TRUE
"php": TRUE
"": TRUE

緩くチェックできることは PHP の良いところでもあるので PHP 型の比較表 とにらめっこしつつ活用していくといいと思います。

2018/02/18 10:17 追記:

「何故まともな静的解析ツール無しにコーディングをするのが危険なのか」というタイトルに書き直した方が良いとのコメントを頂きましたが、いま私が使用している PhpStorm や phpmd だと empty($undef) としても検出できないのですよね。

実際に typo したコードが静的解析やコードレビューをすり抜けてしまい痛い目を見たことがあるのでこの記事を書きました。ただ「そのために言語機能を制約してコーディングするのもどうなの」というのもごもっともな話だと思います。プロジェクト内で方向性があればそれに従えばいいと思います。

そもそも未定義の変数に対して empty() を使うことは言語として想定されている使われ方なので検出できる静的解析ツールも少ないのかなと思うのですよね。静的解析方面にあまり詳しくないのですがそこら辺どうなのでしょう。